2026年度後期 小野原 彩香
調査で明らかにしたい対象全体の集合
例
ポイント
母集団から実際に取り出して調査する一部の集合
母集団(Population) ↓ 抽出(sampling) 標本(Sample) ↓ 調査・分析 標本統計量を算出 ↓ 推測(inference) 母集団のパラメータを推定
なぜ一部で全体がわかるのか? → 適切な方法で標本を選べば、標本の特性は母集団を**代表(represent)**する
母集団の全員を対象に実施する調査
代表的な例
メリット
デメリット
実施主体:総務省統計局 調査時点:2025年10月1日現在 対象:日本に住む全ての人と世帯 調査項目:氏名・生年月日・国籍・住所・職業・世帯構成 等 回答方法:インターネット回答・調査票郵送・調査員による配布回収
考えてみよう: 「すべての人を調査する」はなぜ難しいのか? 住所不定・外国籍・無回答の人はどう扱われるのか?
考えてみよう:
母集団からランダムに標本を選べば、 標本の特性は母集団の特性を(確率的に)反映する。
直感的な例:
「かき混ぜる」=無作為抽出(random sampling)
→ 無作為に選ばれた標本は、母集団を代表する可能性が高い
母集団の全員に等しい確率で当選するチャンスを与え、 くじ引き・乱数表等で選ぶ方法
例:全校生徒1,000人から100人を乱数表で選ぶ
長所:偏りが最も少ない理想的な方法 短所:母集団全員のリスト(サンプリング台帳)が必要
名簿などのリストを並べ、一定間隔おきに選ぶ方法
例:1,000人のリストから100人を選ぶ場合 → 最初の1〜10番から1人をランダムに選ぶ(例:7番) → 以後、7→17→27→37…と10人おきに選ぶ
長所:手続きが簡単・コスト低 短所:リストに周期的なパターンがあると偏りが生じる可能性
母集団をあらかじめいくつかの層(グループ)に分け、 各層から一定数または比例的に抽出する方法
例:都市部・地方の人口比率に応じて標本数を配分
長所:各層の特性を確実にカバーできる/精度が上がる 短所:層の区分けと各層の情報が必要
比例配分と最適配分
母集団を「クラスター(集落)」に分け、 クラスターごとランダムに選び、選ばれたクラスター内の全員(または一部)を調査する
例:全国の市区町村の中からいくつかを抽出し、 選ばれた市区町村の住民を調査
長所:リストが不完全でも実施可能・コスト低 短所:単純無作為抽出より標本誤差が大きくなりやすい
多段抽出法:クラスター抽出を2段階以上繰り返す (例:①都道府県を抽出 → ②市区町村を抽出 → ③個人を抽出)
無作為抽出によらず、調査者の判断や便宜に基づいて 標本を選ぶ方法
主な種類
限界
質的研究での活用
標本誤差:標本の特性と母集団の特性との間に生じるランダムな誤差
目安(比率の場合・95%信頼水準)
必要な標本数は「母集団の大きさ」ではなく「必要な精度」で決まる → テレビ視聴率(ビデオリサーチ社):約2,700世帯で日本全体を推計
標本の選ばれ方に系統的な偏りが生じること
インターネット調査の偏りの例
歴史的な失敗例:Literary Digestの1936年米大統領選予測
→ 標本の大きさより、標本の選ばれ方(代表性)が重要
調査概要(例:「社会意識に関する世論調査」)
考えてみよう: なぜ「層化2段抽出法」を使っているのか? 面接調査にはどのような長所・短所があるか?
テーマ:「北海道の大学生のアルバイト状況に関する調査」を実施したい
グループで以下を検討してください:
各グループの検討結果を発表してもらいます。
提出先:LMS(〆切:次回授業前日 23:59)
課題内容:
以下のいずれかの調査(または自分で見つけた調査)を取り上げ、その標本設計について論じてください。
記述する内容:
分量の目安:300〜500字
参考文献(本日) → 配布資料「第10回 参考文献リスト」を参照
次回(第11回)予告 「アンケート調査の方法と調査例」 → 質問紙はどのように設計するのか? → 事前学習:内閣府世論調査の調査票を一度見ておくこと
LMSのメッセージ機能または授業後に声をかけてください
次回: 第11回「アンケート調査の方法と調査例」