統計学Ⅰ(B)2026 第1回

第1回 「直感」の敗北

なぜ統計が必要か

統計学Ⅰ(B) 北星学園大学
小野原 彩香

統計学Ⅰ(B)2026 第1回

今日のゴール

  1. このコースの地図を頭に入れる(記述統計 → 推測統計)
  2. 「直感は速いが、系統的に間違える」を自分の目で見る
  3. Colab を起動して ▶ を押す(操作はこれだけ)
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その前に、3つの直感クイズ

まず「自分の予想」を決めてください

(当たり外れより、外れ方が大事)

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クイズ① モンティ・ホール

  • ドアが3つ。1つが当たり(新車)、2つがハズレ。
  • あなたが1つ選ぶ
  • 司会者が残りのハズレを1つ開ける
  • 「変えてもいいですよ」

変える? 変えない?

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クイズ② 誕生日

この教室に 23人 いる。


誕生日が同じ2人がいる確率は?

365日もあるのに、23人で被る?

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クイズ③ コイン

表の確率は 1/2。10回投げてもちょうど5回とは限らない。


投げ続けると、表の割合は?

「3連続で表、次は裏が来るはず」?

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Colab で答え合わせ

01_intro.ipynb を開いて

▶ を上から押すだけ

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答え合わせ

直感 データ(1万回)
① 変えても 50:50 変える=約67%(2倍!)
② 23人じゃ被らない 約51%(半分超)
③ 少数でも傾向は出る 少数は偶然に振り回される

直感は 速い。けれど 同じ向きに 外れ続ける。

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なぜ外れるのか=認知バイアス

バイアス 中身
代表性 「典型らしさ」で確率を判断
利用可能性 思い出しやすさで頻度を判断
確証バイアス 自説に都合のいい情報だけ集める
ギャンブラーの誤謬 偶然の偏りに「揺り戻し」を期待

系統的=何回繰り返しても消えないズレ

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「空気を読む」も中立ではない

  • みんなが互いに影響し合う → 標本の独立性が壊れる
  • 独立でない標本からは、母集団を正しく推測できない(→第6回)

これは精神論ではなく、推測統計が成り立つための数学的な前提の話。

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このコースの地図

統計学
├─ 記述統計(手元のデータを要約)      第2〜3回
│   ├─ 代表値(平均・中央値・最頻値)
│   └─ ばらつき(分散・標準偏差)
└─ 推測統計(一部から全体を推し量る)  第6回〜
    ├─ 標本と母集団/中心極限定理
    ├─ 推定(信頼区間)
    ├─ 仮説検定(t検定・分散分析)
    └─ モデル(回帰・AIC・ベイズ・多変量)

全部を Python(Colab) で動かす(第4回で本格始動)

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評価とルール

  • 毎回のMoodle課題(100%) 各回100点
  • 内訳:自動採点 40 + 記述 60
  • 記述は「考え方」を見る。暗記ではなく、なぜそう判断したか
  • 提出後、AIの自動フィードバックが返る

準備:Googleアカウント/ノートPC・タブレットを毎回持参

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今日の課題

直感クイズの答え合わせ(自動採点)

+「直感が外れた経験」のふりかえり(記述)

次回:代表値の性質と、その嘘