統計学Ⅰ(B)2026 第9回

第9回 仮説検定(2)

分散分析(ANOVA) ―― 繰り返してはいけない

統計学Ⅰ(B) 北星学園大学
小野原 彩香

統計学Ⅰ(B)2026 第9回

フック

3つの科で体重に差がある?
全ペアでt検定すればいいよね?」
経済vs文・文vs社福・経済vs社福…


――それ、危ないです

統計学Ⅰ(B)2026 第9回

なぜ繰り返しがダメか

1回のt検定は「まぐれで有意」を**5%**許している


検定を何回もやったら?
→ 毎回5%の落とし穴 → どれか1つはまぐれで当たる

統計学Ⅰ(B)2026 第9回

多重比較の罠(差がないのに)

群(=検定回数)が増えるほど、まぐれの「発見」が増える

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だから ANOVA

3群以上を1回で「どこかに差があるか」判定
→ 検定を繰り返さないので偽陽性が増えない

F, p = stats.f_oneway(経済, 文, 社福)

オマキ492g / クモ6,652g / コビト69g → F=151.89, p=3e-25
→ 差があるとは言えない(見かけの差にだまされない)

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F値の気持ち

F=群間のばらつき(平均の違い)群内のばらつき(個人差)F = \frac{\text{群間のばらつき(平均の違い)}}{\text{群内のばらつき(個人差)}}

  • F 大 = グループ差が個人差より大きい → 差あり
  • F ≒ 1 = 個人差の範囲 → 差とは言えない(今回)
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有意だったら:事後検定+補正

ANOVAが言うのは「どこかに差がある」まで

  • どのペアかは事後検定
  • 繰り返すのでボンフェローニ補正(α÷回数)

❌「ANOVA有意 = 全部の群が違う」(どこかに差、だけ)

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まとめ

群が3つ以上なら t検定を繰り返さない

まずANOVAで一括判定

「有意」=どこかに差、≠ 全部違う

次回:回帰分析 ―― データを数式で説明する