統計学Ⅱ 2026 第1回

第1回 ガイダンス

統計学Ⅰの復習と、本講義の位置づけ

統計学Ⅱ 2026後期 北星学園大学
小野原 彩香

統計学Ⅱ 2026 第1回

今日のゴール

  1. 統計学Ⅰの要点(代表値・ばらつき・相関)を思い出す
  2. 統計学Ⅱの地図を頭に入れる(確率論 → 誤用批判 → 集団意思決定)
  3. 今期を貫く一本の糸 = 「独立性」 を知る
  4. (Ⅱから来た人)Colab を起動して ▶ を押す
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Ⅰは何を示したか

「あなたの直感は、速いが、系統的に間違える」

モンティ・ホール/誕生日/平均年収の罠/相関と因果

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Ⅰの復習 ① 「平均◯◯」の罠

  • 霊長類の体重のように右に歪んだ分布では…
  • 少数の大型類人猿が平均を吊り上げる

平均 > 中央値

平均5,881g・中央値3,006g ―― ほぼ2倍のひらき
→ どの代表値を選ぶかは、すでに主張(Ⅰ 第2回)

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Ⅰの復習 ② 相関 ≠ 因果

  • 離乳日齢と行動圏(ともに対数)には正の相関(r ≈ 0.66)
  • でも「子育てが長いから広く動く」と言い切れる?
  • 対数体重で調整すると r = 0.05 ―― ほぼ消えた

「体の大きさ」という第三の要因が、
両方に関連しているのかもしれない(交絡の疑い)

→ Ⅱの 第10〜11回(因果推論・交絡) で深掘り

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では、Ⅱは何を新しく問うのか

Ⅰ Ⅱ
主役 一人の直感 集団 と 確率論の数理
結論 直感は系統的に外れる 集団になるともっと外れる

到達目標(シラバス):
① 条件付き確率・ベイズ ② p値の限界と効果量
③ 因果推論(交絡) ④ 独立性と「空気を読む」ことの害

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Ⅱの地図

確率論で武装     02 条件付き確率(独立性を定義)
                03 ベイズの定理   04 二項・ポアソン
                05 正規分布の数理
推測を問い直す   06 中心極限定理の再考  07 区間推定
誤用を見抜く     08 検定の多重性   09 効果量とp値批判
因果に近づく     10 RCTと観察研究  11 交絡と疑似相関
集団を解剖する   12 情報カスケード 13 コンドルセの陪審定理
統合            14 孤高の意思決定者として
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今期を貫く糸 = 「独立性」

  • 第2回で独立を定義:
  • 二項分布・正規分布・中心極限定理・区間推定…
    …すべて「独立」を前提にしている
  • 第13回で、その前提が「空気を読む」ことで壊れる現場を見る

各回の終わりに問う:「ここで独立性はどう関わった?」

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予告編

賢い集団は、本当に賢いのか?

01_review.ipynb の最後で確かめる

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コンドルセの陪審定理(1785)

  • 一人の正解率は 55%(コインより少し賢いだけ)
  • 独立に判断して多数決すると…
人数 多数決の正解率
1 55%
11 約 63%
51 約 77%
201 約 92%

平凡な多数が、集合知になる

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⚠️ ただし ―― 「独立に」の一行に乗っている

  • もし全員が空気を読んで多数派に合わせ始めたら?
  • 判断が相関し、この定理は崩壊する
  • 賢いはずの集団が、全員そろって間違える

なぜそうなるか → 第13回で証明

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評価とルール(Ⅰと同じ)

  • 毎回のMoodle課題(100%) 各回100点
  • 内訳:自動採点 40 + 記述 60
  • 記述は「考え方」を見る。なぜそう判断したか
  • 提出後、AIの自動フィードバックが返る

準備:Googleアカウント/ノートPC・タブレットを毎回持参

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今日の課題

選択問題(自動採点)

+ 記述2問

B1:今日の話から1つ選び、予想と結果・その仕組みと前提

B2:身近な集団判断が、コンドルセの3条件を満たすか検討

次回:確率論の基礎(1) 条件付き確率

「少なくとも1人が女の子」なら1/3、

「無作為に選んだ1人が女の子」なら1/2