学生17名提出 / 記述は13名が満点
減点4名と小テストの誤答に、共通する型が3つ
どれも今日のベイズの定理に直接ひびく
学生100人:アルバイト30人、一人暮らし20人、両方12人
| 答え | 何の確率か | 計算 |
|---|---|---|
| 0.12 | ||
| 0.60 | ||
| 0.40 |
同じ12人を、3つの違う分母で割っている
ベイズの定理
分母を
向きが逆になる
✗ 「少なくとも1人は女」という確率は 1/3
字義どおりなら
だが実際は
○ 「少なくとも1人は女」という条件のもとで
「2人とも女」である確率が 1/3
今日の検査の例でいえば
✗ 「陽性の確率は50%」
○ 「陽性という条件のもとで、病気である確率が50%」
| 書かれていたこと | 直し方 |
|---|---|
| 「それぞれ1/4」を書かなかった | 4通りが等確率だからこそ 1/3 になる |
| 「従属だから因果がある」 | 従属は確率が変わるだけ。原因は問わない |
主題は
①の「分母をどこに取るか」
②の「条件の名前で呼んでしまう」
検査の性能:
病気は 100人に1人(有病率1%)。あなたは 陽性。
「99%の精度だから99%」?
(有病率1%のもとでの値)
100万人を検査すると…
| 人数 | うち陽性 | |
|---|---|---|
| 病気(1%) | 10,000 | 9,900 真陽性 |
| 健康(99%) | 990,000 | 9,900 偽陽性 |
病気が稀 → 偽陽性が真陽性と同じだけ出る
直感は取り違える:
第2回の「
と は一般には等しいとは限らない」そのもの
検査の精度 と 陽性的中率 は別の数字
| 検査の用語 | 記号 | 値 |
|---|---|---|
| 感度 | 0.99 | |
| 特異度 | 0.99 | |
| 偽陽性率 | 0.01 |
特異度は「健康な人を陰性と正しく言える確率」
→ 健康な人が陽性になる確率はその余事象で
| 要素 | 検査の例 |
|---|---|
| 事前 |
有病率 1% |
| 尤度 |
感度 99% |
| 事後 |
陽性的中率 50% |
データで信念を更新する計算
| 式の部品 | 表のどこか | 値 |
|---|---|---|
| 事前 |
病気 10,000 ÷ 100万 | 0.01 |
| 尤度 |
病気で陽性 9,900 ÷ 10,000 | 0.99 |
| 分母 |
陽性 19,800 ÷ 100万 | 0.0198 |
| 有病率 | 陽性的中率 |
|---|---|
| 0.1% | 9.0% |
| 1% | 50.0% |
| 10% | 91.7% |
| 50% | 99.0% |
検査の性能は同じ。 珍しい病気ほど的中率は低い
→ 基準率の誤謬(base rate fallacy)
迷惑メール判定・顔認証・不正検知…全部同じ罠
今日の事後を、明日の事前として使う
回数が増えるほど、信念は 0.7 の周りに締まっていく
Colab の乱数での事後平均
| 投げた回数 | 事後平均 |
|---|---|
| 5回 | 0.714 |
| 20回 | 0.773 |
| 100回 | 0.696 |
計算の誤りではない。標本のばらつきである
言えるのは
このモデルが正しく、データが十分にあれば、真値の付近を絞り込める
「観測を増やすたびに必ず近づく」ではない
(一様な事前も「無知の唯一の表現」ではなく、今回置いた設定)
検査2回とも陽性なら尤度比をもう一度掛けられる。その根拠は
「病気かどうかが決まっていれば、1回目の結果は2回目の出方に影響しない」
1回目が陽性なら病気の可能性が上がり、2回目も陽性になりやすい
(
同じ検体を同じ方法で二度測れば、1回目に誤らせた原因(検体の取り方、試薬の癖)が
2回目にも効く →
2回の検査で尤度比を2回掛けられたのは、条件付き独立だったから
同じ噂を10人から聞いても、尤度比を10回掛けてはいけない
第12〜13回:みんなが互いを真似て同じ情報ばかり見ると、
集団の信念が間違った方向に固まる(情報カスケード)