統計学Ⅱ 2026 第5回

第5回 連続確率分布

正規分布の数理 ―― なぜ世界は正規だらけか

統計学Ⅱ 2026後期 北星学園大学
小野原 彩香

統計学Ⅱ 2026 第5回

今日のゴール

  1. 正規分布の形は μ(中心)と σ(広がり) で決まる
  2. 連続分布は 面積が確率(68–95–99.7則)
  3. 正規が現れる理由 = 独立な要因の和
  4. でも「すべてが正規」ではない(裾の重い分布)
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正規分布 N(μ, σ²)

複雑に見えるが、支配するのは2つだけ:

  • μ:山の位置(平均)
  • σ:山の幅(標準偏差)
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連続分布では「面積」が確率

1点の確率は 0。範囲に入る確率=曲線の下の面積

範囲 確率
±1σ 68.3%
±2σ 95.4%
±3σ 99.7%

標準化 、偏差値

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なぜ正規が現れるのか

多数の独立な要因の「和」

一様乱数(真っ平ら)を独立に足すと…

足す数
1個 真っ平ら
2個 三角
5個 釣鐘型
30個 正規分布に一致

→ これが第6回 中心極限定理 の正体。鍵は「独立に足す」

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でも「すべてが正規」ではない

年収・都市人口・フォロワー数・地震 …
裾の重い分布(少数の巨大値)

平均 中央値
正規 500 500(一致)
裾が重い 517 405(平均>中央値)

掛け算的・自己強化的に生まれる → 正規にならない

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統計的誤用を防ぐ第一歩

裾の重いデータに正規を当てはめて
「平均±2σで95%」 → 現実離れした結論


まず分布の形を確かめる

(ヒストグラムを描いてから手法を選ぶ)

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今日の課題

標準化・面積の計算(自動採点)

+「正規が現れる条件/現れない例」(記述)

次回:中心極限定理の再考

「独立な和は正規」――その魔法に隠れた“独立”という前提