統計学Ⅱ 2026 第8回

第8回 検定の多重性問題

たくさん試せば、偶然の「有意」は出る

統計学Ⅱ 2026後期 北星学園大学
小野原 彩香

統計学Ⅱ 2026 第8回

今日のゴール

  1. 検定を繰り返すと 偽陽性が累積 する
  2. ファミリーワイズ・エラー
  3. p-hacking の危うさ
  4. 対策:ボンフェローニ補正・事前登録
統計学Ⅱ 2026 第8回

xkcd "Significant"

「緑のゼリービーンズはニキビの原因!」

20色を1つずつ検定したら、緑だけ p<0.05


→ Colab:どの色も効果ゼロなのに、有意な色が出る

「緑が原因」と報告したら 完全な誤り

統計学Ⅱ 2026 第8回

偽陽性が積み上がる

効果ゼロでも、1回の検定で5%は有意になる
回で「少なくとも1つ偽陽性」:

偽陽性が出る確率
1 5%
10 40%
20 64%

「有意なものだけ報告」=偶然拾い=p-hacking

統計学Ⅱ 2026 第8回

対策①:多重比較補正

回やるなら基準を厳しく:ボンフェローニ
(20回なら 0.05/20 = 0.0025)

20回検定の偽陽性率
補正なし 64%
ボンフェローニ補正 5%(目標に戻る)
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対策②:事前登録(より根本)

補正でも防げない巧妙な p-hacking:

  • HARKing:結果を見て仮説を後付け
  • チェリーピッキング:有意な指標だけ報告
  • optional stopping:有意まで足し続ける

事前登録:データを取る前に仮説と方法を固定

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統計的誤用を見抜く目

「有意差が出ました(p<0.05)」と聞いたら:

「それ、何回検定したうちの1つ?」

「仮説は先に決めてあった?」

多くの“発見”は、たくさん試したまぐれ当たり

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今日の課題

多重検定の判断(自動採点)

+「このp値はなぜ信用できないか」(記述)

次回:効果量とp値批判

n=100万なら無意味な差でも p<0.001