統計学Ⅱ 2026 第9回

第9回 効果量とp値批判

「有意」と「重要」は、まったく別

統計学Ⅱ 2026後期 北星学園大学
小野原 彩香

統計学Ⅱ 2026 第9回

今日のゴール

  1. p値は 標本サイズ に依存 する
  2. 効果量(Cohen's d)=差の大きさそのもの
  3. 有意 ≠ 重要(独立な2軸)
  4. p値だけで結論しない。効果量をセットで
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ほんの少しの差 × 巨大な標本

本当の差は 0.5点(SD=10に対しごくわずか)
n を増やして検定(p値の中央値):

典型的な p値
100 0.45
1,000 0.27
10,000 0.0003 ★
100,000 ≈0 ★★

差は同じ。nを増やすだけで有意に!

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なぜか:p値はnを映している

t統計量 ≈(差の大きさ)×

差が小さくても、 を増やせば統計量は大きくなる
→ p値は下がる


p値は半分、「標本の大きさ」を映しているだけ

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効果量 ―― 差の大きさそのもの

目安: 小/ 中/


さっきの 0.5点差 → (小にも届かない)

p値は n で激変。効果量はぶれない

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有意 ≠ 重要(独立な2軸)

p値 効果量 d
① 巨大標本×小さな差 ≈0(有意) 0.05(ごく小)
② 小標本×大きな差 0.25(非有意) 0.70(大)

①を「発見」と誤り、②を「差なし」と切り捨てる
= p値偏重の典型的誤用(再現性危機の一因)

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p値との正しい付き合い方

p値は「偶然でこの差が出る出やすさ」だけ
差の大きさでも・正しさの確率でも・重要さでもない


「有意差が出た」→「効果量は?」

p値と効果量、両方そろえて初めて結論できる

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今日の課題

p値と効果量の読み分け(自動採点)

+「この有意差は実質的に重要か」(記述)

次回:因果推論入門(RCTと観察研究)

「サプリのおかげ? もともと健康志向だっただけ?」