統計学Ⅱ 2026 第11回

第11回 交絡と疑似相関

見せかけの相関を、統制で見破る

統計学Ⅱ 2026後期 北星学園大学
小野原 彩香

統計学Ⅱ 2026 第11回

今日のゴール

  1. 疑似相関=共通原因が作る見せかけの相関
  2. 統制(調整) で交絡の影響を差し引く
  3. シンプソンのパラドックス(全体と層別で逆転)
  4. 統制のやりすぎの罠(コライダー)
統計学Ⅱ 2026 第11回

アイスと水難事故

両者は強く相関(r≈0.78)。アイスを禁止すれば事故が減る?

アイス  ←  気温  →  水難事故
        (共通原因=交絡)

暑い日はアイスも売れ、水遊びも増える
→ 直接の因果はない = 疑似相関

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統制:気温の影響を差し引く

アイス・水難それぞれから「気温で説明できる分」を引き、
残差どうしの相関(偏相関)を見る

相関
統制前(全体) r ≈ +0.78
統制後(偏相関) r ≈ −0.02(ほぼ0)

→ 同じ気温の中では関係なし。犯人は気温だった

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シンプソンのパラドックス

アプリA アプリB
文系 70%(200) 75%(80) B
理系 30%(80) 35%(200) B
全体 58.6% 46.4% A ←逆転!

学部別は両方B上。なのに全体はA上!

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なぜ逆転?

  • アプリA:受かりやすい 文系 が多い
  • アプリB:受かりにくい 理系 が多い

→ 学部(交絡)の構成比の偏りが、本当の優劣を覆い隠す

正しいのは「学部で分けた」結論=B が上

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統制すれば何でも解決? → No

交絡(共通原因)は統制すべき
でも コライダー(共通の結果)を統制すると
存在しない相関を作ってしまう

何を統制すべきかは、因果の向きを考えないと決まらない
DAG(因果ダイアグラム)で判断

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今日の課題

交絡候補の指摘・統制の効果(自動採点)

+「この相関は因果か/統制したら?」(記述)

次回:情報カスケード(クライマックス開始)

個々は合理的なのに、集団そろって間違える