統計学Ⅱ 2026 第12回

第12回 情報カスケード

個々は合理的なのに、集団そろって間違える

統計学Ⅱ 2026後期 北星学園大学
小野原 彩香(クライマックス①)

統計学Ⅱ 2026 第12回

今日のゴール

  1. 情報カスケード=私的情報を捨て多数に従う連鎖
  2. 合理的な個人でも起きる
  3. 判断の独立が壊れる=群衆の知恵が失われる
  4. バブル・流行・取り付け騒ぎとの対応
統計学Ⅱ 2026 第12回

直感クイズ

行列のできる店

あなたが並ぶと、次の人には「○人並んだ店」

統計学Ⅱ 2026 第12回

モデル:私的情報 vs 他人の行動

  • 正解は 1(本当に良い選択)
  • 各人の私的シグナル:70%で正解を指す
  • 前の人の選択は見える(シグナルは見えない)
  • 各人は合理的に判断

ルール:先行者が一方に2つ以上傾いたら、
自分のシグナル1つでは覆せない → 多数に従う

統計学Ⅱ 2026 第12回

運の悪い出だしが全員を道連れに

正解は1。だが最初の2人が外れシグナル(0):

順番 シグナル 選択
1, 2 0, 0 0 ✗
3〜10 1(正解!) 0 ✗ カスケード

3人目以降は正解のシグナルを持つのに、全員間違える
愚かだからでなく、合理的だから

統計学Ⅱ 2026 第12回

群れ vs 独立な群衆(各70%・20人)

集団 正解率
各自が独立に判断 約 95%
前の人を真似る(カスケード) 約 85%

真似ると集団の誤りが約3倍に

後続18人の私的情報が、集団に入らなくなる

統計学Ⅱ 2026 第12回

独立が壊れる現場

カスケード中、選択は私的情報を反映しない
→ みんな「前の人」だけ見る → 判断が相関 → 独立崩壊


現実:バブル・根拠なき流行取り付け騒ぎ
レビュー★買い・SNS炎上

個人は合理的でも、集団は系統的に劣化する

統計学Ⅱ 2026 第12回

ディスカッション

  1. 「他人がそうしているから」で選んだものは?
    私的情報をどれだけ捨てた?
  2. カスケードを止めるには何が要る?
  3. 「みんな賛成だから正しい」はいつ信用でき、いつ危険?
統計学Ⅱ 2026 第12回

今日の課題

カスケード結果の解釈(自動採点)

+「独立が壊れると集団判断は?」(記述)

次回:コンドルセの陪審定理(クライマックス②)

独立な多数決は賢い。空気を読むと崩れる