統計学Ⅱ 2026 第14回

第14回 総括

孤高の意思決定者として

統計学Ⅱ 2026後期 北星学園大学
小野原 彩香

統計学Ⅱ 2026 第14回

今日のゴール

  1. 全14回を1枚の地図で俯瞰
  2. 一本の糸 = 独立性 を最後に確かめる
  3. 統計的誤用+集団的誤り チェックリスト
  4. 第1回の自分と再会する
統計学Ⅱ 2026 第14回

14回の地図

確率論で武装  02 条件付き確率(独立を定義)
             03 ベイズ  04 二項・ポアソン  05 正規分布
推測を問い直す 06 中心極限定理  07 区間推定
誤用を見抜く   08 検定の多重性  09 効果量とp値批判
因果に近づく   10 RCTと観察研究  11 交絡と疑似相関
集団を解剖     12 情報カスケード 13 コンドルセの陪審定理
統合          14 孤高の意思決定者 ←今ここ

確率論 → 推測 → 因果 → 集団。貫くのは一つの概念

統計学Ⅱ 2026 第14回

一本の糸 = 独立性

ρ(独立が崩れる度)を上げると…

ρ 95%CIカバレッジ コンドルセ正解率
0(独立) 95% 92%
0.3 41% 59%
0.6 23% 56%

別物の2つの道具が、同時に壊れる

→ 独立は、統計と集団意思決定の共通の土台

統計学Ⅱ 2026 第14回

チェックリスト(11の問い)

  1. 条件付き確率を逆向きに読んでいないか(02)
  2. 基準率を無視していないか(03)
  3. 独立な試行の前提は成り立つか(04・06)
  4. 正規分布を無条件に仮定していないか(05)
  5. 標本の独立性が崩れていないか(06・07)
  6. 検定を繰り返していないか(08)
  7. p値を効果量と混同していないか(09)
  8. 観察データで因果を断定していないか(10)
  9. 交絡を疑ったか(11)
  10. その合意はカスケードの産物か(12)
  11. その多数決は独立な判断の集積か(13)
統計学Ⅱ 2026 第14回

第1回の自分と再会する

  • Ⅰの結論:直感は、速いが系統的に外れる
  • Ⅱの結論:群れて空気を読むと、集団はもっと外れる

答えは悲観ではない ―― 道具を持て

統計学Ⅱ 2026 第14回

孤高の意思決定者として

統計は確実な答えをくれる魔法ではない
だが我々は ――

ベイズで信念を更新し/効果量で大きさを測り/
交絡を疑い/独立した一個の人間として判断する

その独立こそが、君と、君のいる集団を、賢くする
── これは精神論でなく、君が数値で確かめた事実

統計学Ⅱ 2026 第14回

今日の課題

総合ふりかえり(第1回との比較)

+ 自由ミニ分析(独立な集積か、空気の産物か)

半年間、おつかれさま

独立は、君が思うより、ずっと大切だ