統計学Ⅱ 2026 後期¶
北星学園大学 担当:小野原 彩香
火曜Ⅲ講 13:00〜14:40・B402教室(科目コード 8148)
この授業について¶
統計学Ⅰでは「あなたの直感は、データの前で系統的に間違える」ことを学んだ。統計学Ⅱは、その続きである。
この授業のテーマは2つ。ひとつは 確率論の数理的な基礎(条件付き確率・ベイズの定理・確率分布)を固め、統計的推測の土台を理解すること。もうひとつは、その道具を使って 統計的手法の「誤用」を見抜く批判的思考 を養うことだ。
そして本講義の核心は、こうである ―― 日本社会で美徳とされる「空気を読む」という行為が、統計的推測の前提である「試行の独立性」を破壊し、集団の意思決定を劣化させる。この一見過激に見える主張を、私たちは精神論としてではなく、情報カスケード と コンドルセの陪審定理 という数学を使って証明していく。
計算をひたすら手で解くことはしない。考え方 を理解し、Python(Google Colab) でシミュレーションして、自分の目で確かめる。
到達目標¶
- 条件付き確率とベイズの定理を理解し、情報の更新プロセスを説明できる
- p値の限界と効果量の重要性を理解し、統計的誤用を批判的に検証できる
- 因果推論の基礎(交絡・疑似相関)を理解し、観察データからの安易な因果主張を見抜ける
- 独立性の概念を理解し、「空気を読む」ことが集団の判断精度を下げるメカニズムを説明できる
進め方¶
- 講義(考え方)+ Colab実習(シミュレーションで確認)+ ディスカッション・ディベート
- 評価は 毎回のMoodle課題(100%)。課題にはAIによる自動フィードバックが付く
- 1回あたり平均4〜5時間の予習・復習を前提とする
準備するもの
- Googleアカウント(Google Colabを使う)
- ノートPC または タブレットを毎回持参
- 統計学Ⅰの履修が望ましい(ただし本講義単独でも履修できるよう設計している)
授業計画(全14回)¶
| 回 | 日付 | テーマ |
|---|---|---|
| 01 | 9/29(火) | ガイダンス:統計学Ⅰの復習と本講義の位置づけ |
| 02 | 10/6(火) | 確率論の基礎(1):条件付き確率 |
| 03 | 10/13(火) | 確率論の基礎(2):ベイズの定理の深掘り |
| 04 | 10/20(火) | 離散確率分布:二項分布・ポアソン分布 |
| 05 | 10/27(火) | 連続確率分布:正規分布の数理 |
| 06 | 11/10(火) | 標本分布と中心極限定理の再考 |
| 07 | 11/17(火) | 区間推定の理論 |
| 08 | 11/24(火) | 検定の多重性問題 |
| 09 | 12/1(火) | 効果量とp値批判 |
| 10 | 12/8(火) | 因果推論入門:RCTと観察研究 |
| 11 | 12/15(火) | 交絡と疑似相関 |
| 12 | 12/22(火) | 情報カスケードと集団意思決定 |
| 13 | 1/12(火) | 「空気を読む」ことの愚かさ:独立性の欠如と集団浅慮。コンドルセの陪審定理 |
| 14 | 1/19(火) | 総括:孤高の意思決定者として |
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今期を貫く一本の糸 ―― 独立性
第2回で「独立性」を定義してから、第13回でその喪失が集団を愚かにすることを証明するまで、このコースは一本の糸で繋がっている。各回の終わりに「ここで独立性はどう関わったか」を意識してほしい。
開講日程について
休講日:9/22(国民の休日)・11/3(文化の日)・12/24〜1/6(冬季休業)
後期授業期間 9/21〜1/19/後期定期試験 1/20〜1/22 (典拠:学年暦2026 2025.11.19版)