第13回 資料:引用と剽窃、AIの使い方¶
問い:どこまでが引用で、どこからが剽窃か。
報告書は個人で書く(20点)。グループの成果物の陰に隠れない、この授業で唯一の課題である。
1. 剽窃とは何か¶
他人が作ったものを、自分が作ったように見せること。
盗む意図があったかどうかは関係ない。読んだ人が「これはこの人が考えたことだ」と受け取る形になっていれば、剽窃である。
| 引用 | 出どころを示して使う。どこからどこまでが他人のものかが分かる |
| 剽窃 | 出どころを示さずに使う。境目が分からない |
引用の3つの条件¶
- 必要があること(自分の主張を支えるために要る)
- 区別できること(引用部分が本文と区別されている)
- 出どころが書いてあること(誰の・何年の・どこにあるものか)
2. 書き方¶
短い引用(そのまま使う)¶
「答えなかった人は、答えた人と違う」と指摘されている(授業資料 第2回)。
かぎ括弧で囲み、出典を書く。
要約して使う¶
前期の調査では、自己申告のアンケートに最も支援が必要な学生が回答しない傾向が報告されている(授業資料 第2回)。
自分の言葉に直しても、出典は要る。内容が他人のものだからである。
数字を使う¶
総務省の調査によれば、○○は△△%であった(総務省, 2025)。
数字はとくに厳しく。「どこかで見た」は使えない。一次情報に当たる(第2回)。
やってはいけない¶
- 出典を書かずに、他人の文をそのまま貼る
- 孫引き(誰かのまとめだけを見て、元の調査を見ずに数字を使う)
- 出典は書いたが、どこからどこまでが引用か分からない
3. 🔴 AIをどこまで使ってよいか¶
この授業のルールを明文化する。
使ってよい¶
- 調べもの(言葉の意味、やり方、エラーの原因)
- コードを書かせる(第6〜11回でやってきたとおり)
- 文章を直してもらう(自分が書いた文の、言い回しや誤字)
- 考えを整理する相手にする(「この結論に反論するとしたら?」と聞くのは良い使い方)
使ってよいが、書く¶
- AIに書かせた文章を、手を入れて使った場合
- AIの提案で、構成や主張を変えた場合
報告書の最後に、次を書く。
AIの利用について 使ったもの:Microsoft 365 Copilot 使った場面:グラフを描くコードの作成/考察の言い回しの修正 自分で判断したこと:何を集計するか、どの図を載せるか、どこまで言えるか
使ったことは減点にならない。書かないことが問題になる。
使ってはいけない¶
| なぜ | |
|---|---|
| AIが書いた考察を、そのまま自分の考察として出す | 剽窃と同じ扱いになる |
| AIに「参加者の声」や事例を作らせて載せる | ねつ造。第11回でやったとおり |
| AIが出した数字を、確かめずに使う | 存在しない出典を出すことがある(第2回) |
| AIが出したURLを、開かずに引用する | 同上 |
第11回の検証課題を思い出す
AIは「回答者のコメントの例」を、聞けば作る。それらしい文章が3つ並ぶ。 それを自分の調査結果として載せれば、データのねつ造である。 AIが親切に作ってくれたものほど、危ない。
4. 報告書の作り方¶
第10・11回で使った雛形を、そのまま使う。個人の報告書として書き直す。
構成¶
タイトル
1 問い なぜそれを知りたかったか
2 方法 誰に・いつ・どうやって・何件
3 結果 図表と読み取り(意見はまだ)
4 考察 結果から何が言えるか。自分の解釈
5 限界 何が言えないか
6 結論 問いへの答え
出典・AIの利用について
第10・11回のページとの違いは「4 考察」があることだけである。発表では時間がなくて言えなかったことを、ここで書く。
見出しの階層=文章の構造¶
第10回で見たとおり、<h1> の下に <h2>、その下に <p>。
この構造を持っていれば、形式は移せる。Wordでも、Markdownでも、同じことをしている。
図表の番号とキャプション¶
- 図1・表1と番号をつけ、本文から「図1のとおり」と参照する
- キャプションには n(件数) を書く(第11回)
5. 卒業¶
同じ報告書を、別の形式でも組み立てられるか。
HTMLで書いたものを、Markdownでも、文書ソフトでも同じ構造で書けるなら、あなたが持っているのは形式ではなく構造である。それが、この授業で身につけてほしかったものである。
課題13(20点・個人)¶
締切は第14回の授業開始まで。冬休みに書くのは本文だけの状態にして、この回を終える。
- [ ] 6つのセクションが揃っている(考察と限界を分けて書く)
- [ ] 図表に番号・キャプション・n がある
- [ ] 出典が書いてある(他人のデータ・文章を使った場合)
- [ ] AIの利用についてが書いてある
- [ ] 公開してはいけないものが入っていない(第11回の
check()を通す)
この回の授業内で終わらせること¶
- [ ] 図表の貼り込み
- [ ] 骨子(各セクションに何を書くか)
- [ ] 引用リスト
ここまでできていれば、冬休みは本文を書くだけになる。