第5回 調査の実施¶
10/29・10/30
この回の問い¶
答えてくれなかった人のことを、どう考えるか
今日の段取り¶
3限 13:00〜14:40(100分)
| 時刻 | 分 | やること |
|---|---|---|
| 13:00 | 0-10 | 段取りの説明+下の「冒頭に全体へ返すこと」 |
| 13:10 | 10-25 | クラス共通アンケートに全員が回答(「今日のリンク」の🗳から) 各班は、この時間に自分のフォームを直す |
| 13:25 | 25-60 | 相互回答タイム(Moodleのお知らせに全班ぶんのリンク) |
| 14:00 | 60-80 | 回収の上積み(学内の知人へ依頼)+公開時にやってはいけないこと |
| 14:20 | 80-95 | 回収状況を見ながら追加の手を打つ |
| 14:35 | 95-100 | 締切(第6回の開始まで)の確認 |
共通アンケートを先にやる理由
① 共通アンケートは、回収がゼロでも第6回以降の演習に参加できるようにするための保険である。 先に全員ぶんを確実に取る。
② 冒頭で返した点を直す時間を、各班に渡せる。 共通アンケートに答えている15分のあいだに、班の担当者は自分のフォームを直す。
③ 相互回答を後にすれば、直ったフォームに答えてもらえる。 順番を逆にすると、直す前のフォームに回答が入ってしまう。
冒頭に全体へ返すこと¶
課題4で出してもらった調査票は、17班ぶんすべてを実際に開いて点検した。 ここに挙げるのは、複数の班で同じように起きていたことである。 自分の班のどこが当てはまるかは、Moodleの課題4のフィードバックに個別に書いてある。
冒頭で声に出して確認するのは、次の「配り始める前に直すもの」だけである。その下は、直すときに読む。
配り始める前に直すもの
① メールアドレスを集める設定になっていないか
Googleフォームの先頭に「メール*」の欄が出ていたら、回答した人のメールアドレスが全件記録されている。 「設定」タブ →「回答」→「メールアドレスを収集する」を「収集しない」に変える。
匿名で集めると説明したことと食い違う。他の班の人のアドレスが、自分たちの手元に残ってしまう。
② 「回答を1回に制限する」がオンになっていないか
オンだと、Googleにログインした人しか答えられず、Googleが回答者を識別する。 「設定」→「回答」→「回答を1回に制限する」をオフにする。
③ 必須(*)が付いたままになっていないか
依頼文に「答えたくない設問は飛ばしてよい」と書いたのなら、作りのほうでそれを塞いではいけない。
全員に答えてほしくて意図的に必須にしているなら、それは一つの判断である。 その場合は、なぜそうしたかを言えるようにしておく。
設問の作りで、同じ間違いが多かったところ¶
① 数字で聞くなら、単位と記入例を書く
「(例:50000円)」のように例に単位を入れると、「50000円」と書く人が出る。 「5万」「50,000」「二十歳」が混ざると、平均も散布図も出せない。
書き方:「半角数字のみ。単位は書かない(例:50000)」
使わない人・していない人の書き方も決めておく。「していない人は 0 と書いてください」。 空欄のままだと、0なのか、答えなかったのかを区別できない。
② 時刻は、数字で聞いてはいけない
「普段、何時ごろに寝ますか(〇時)半角数字のみ」で集めると、次の3つが同じ列に混ざる。
- 「10」 … 夜10時のつもりで書く人。本人の意図は22時である
- 「1」 … 深夜1時。数値として並べると、22時の人より「早寝」になる
- 「22時半」 … 書けない。22と23のどちらに寄せるかが人によって変わる
時刻は、数えられる量のように見えて、24時で0に戻る量である。 平均を出すと、夜型の人が多いほど平均が早くなる。調べたいことと逆の結果が出る。
選択肢にするのがいちばん確実である。 「21時より前/21時台/22時台/23時台/0時台/1時台/2時以降」。
③ 選択肢は「モレ」と「ダブり」の両方を見る
モレ=当てはまる人がいない。
- 「1年・2年・3年・4年」だけ → 4年以上・編入生・科目等履修生・情報TAが選べない
- 「はい・いいえ」だけ → わからない人、判断がつかない人が選べない
- ジャンルや理由に「該当なし」がない → その行動をしない人が答えられない
- 片方の設問にだけ「全く使用しない」がない
ダブり=2つに当てはまる。
- 「電子マネー」と「交通系」 → Suicaはどちらにも入る
- 「全く感じない」と「現金と変わらない」 → 同じことを指している
- 「北星学園大学の学生」と「大学生」 → 同時に当てはまる
モレよりダブりのほうが厄介である。モレは「その他」で拾えるが、ダブりは集計した後では元に戻せない。 同じ考えの人が別の選択肢に割れるので、どちらの人数も実際より少なく見える。
④ 順序のある選択肢は、順番に並べる
「現金/どちらかといえば現金/キャッシュレス/どちらかといえばキャッシュレス」は、3番目と4番目が逆である。
選択肢の並び順そのものが、データの意味になる。 CSVに出すときも、グラフの横軸も、この順番がそのまま使われる。
直すときは、文字を書き換えるのではなく、選択肢をドラッグして並べ替える。 すでに答えた人がいる場合、文字を書き換えると、その人の回答の意味が変わってしまう。
⑤ 比べる2つの設問は、目盛りをそろえる
現金の頻度が4段階、キャッシュレスの頻度が5段階だと、その2つは比べられない。 並べたグラフが同じ形に見えても、中身がちがう。
向きもそろえる。ある設問は「満足していない→満足している」、別の設問は「そう思う→そう思わない」と 途中で向きが変わると、答える人は気づかずに逆の位置を選ぶ。
⑥ 「複数選択可」と書いたら、複数選べる作りにする
文言だけ「(複数選択可)」で、実際は1つしか選べない設問があった。 文言を「最も当てはまるもの1つ」に直すか、設問を「複数回答」にするか、どちらかにそろえる。
なお、複数回答にすると集計の手間が増える。 CSVの1つのセルに「スマホ;動画;課題」のようにまとめて入るため、数えるにはセルを分ける作業が必要になる。 迷うなら、1つだけ選ばせるほうが楽である。
依頼文に入れる4つ(手本を読み上げる)
① 何を調べるのか ② 匿名で、個人は特定されないこと ③ 第11回(12/11)に結果をウェブで公開すること ④ 答えたくない設問は飛ばしてよいこと
4つそろっていた班の書き方を読み上げる。
- 「回答は自由意志のもとで行われるため、何らかの理由で回答しにくい方は、回答を拒否、あるいは途中で中止することができます」
- 「集計結果を授業で公開します。個人の回答が分かる形では公開しません」
もう一度:リンクを貼ったら、そのうしろで改行する
改行しないと、続けて書いた対応表の文字がURLの一部として扱われ、リンクが開かなくなる。 課題4でも実際に起きた。
いちばん大事なこと¶
課題3・課題4でつくった「対応表」と、いまのフォームの作りが合っているかを見直す。
- 対応表に「選択肢ごとに人数を数えて棒グラフ」と書いたのに、フォームは数字を書かせる形になっていないか
- 対応表に「平均・ヒストグラム」と書いたのに、フォームは選択肢になっていないか
どちらかを直せばそろう。ここがこの授業の中心である。
やること¶
- クラス共通アンケート(「今日のリンク」の🗳から。匿名です。以後の演習で使います)。これを先にやります
- 相互回答:クラス内で、おたがいのフォームに回答を依頼する(課題4で出した調査票は、事前に教員が17班ぶんすべて開いて点検しています。結果をこの回のはじめに返すので、直してから配り始めます)
回答するかどうかは自由です
調査に回答するか、どの設問に答えるかは、一つひとつ自由です。 答えないことで成績が下がることはありません。誰かの成績に響くこともありません。
答えたくない項目がある人は、設問の点検(分かりにくい聞き方がないかを見る)で参加できます。 教員に声をかけてください。
集めた結果は、第11回で集計したものをウェブで公開します。依頼するときに、これも伝えてください。
- 回収の上積みと、公開時にやってはいけないこと
- 回収状況を見て手を打つ
班の中で、集計を見られるようにする¶
集計はフォームを作った人の画面にしか出ない。そのままだと、班のほかの人は何件集まったかが分からない。
班員を共同編集者に追加すれば、全員が同じ集計画面を見られる。回答が増えるたびに自動で新しくなるので、 そのたびに配り直す手間がない。課題5の回収記録を各自で確認できるようになる。
Googleフォームの場合
- 編集画面の右上の「⋮」(縦の三点)→「共同編集者を追加」
- 班員のメールアドレスを入れる
- 追加された人は「回答」タブの円グラフ・棒グラフをそのまま見られる
Microsoft Forms の場合
- 右上の「共有」→「共同作業」
- 「回答を表示および編集できる」を選んでリンクを作る
- そのリンクを班員に渡す(大学のアカウントが必要なので、学外の人は開けない)
「結果の概要を回答者に表示」はオフのままにする
この設定をオンにすると、送信した人全員——つまりほかの班の学生も——集計を見られてしまう。 自由記述に書かれた内容がそのまま並ぶので、依頼のときの約束とずれる。
班の中で見るのはフォームの画面。班の外に出すときだけCSVにする。この2つを分けて考える。
課題¶
- 課題5 回収記録+不足や偏りの考察(5点)
- 提出期限:次回授業の開始まで(遅れた場合は50%)
課題5は班で1つ、課題4は二階建てです
課題5は、班の代表者が1人だけ提出してください。提出する人は、本文の最初に班の番号と全員の名前を書いてください。 評点とコメントは、班の全員に同じものが入ります。
課題4は2つに分かれています。
- グループで1件:回答者用URL・設問の対応表・第3回から直したところ(代表者が1人)
- 各自で2枚:日本語のグラフの画面と、
renshu.csvを読み込めた画面 (班の代表では代えられません。1人ずつ出します)
各自の2枚を出していない人は、第6回(11月5日・11月6日)の画面をそのまま出してください。1点足します。
出すものは3つである。
- 回収記録:誰に・いつ依頼し、何件返ってきたか
- 不足の考察:足りない理由と、どんな人が抜けたか
- 偏りの考察:集まった回答が、どこに寄っているか
件数が目標に届かなくても減点しない。足りない理由を書くほうが評価される。
評点の内訳(5点)
| 点 | 見るところ | |
|---|---|---|
| 回収記録 | 1 | 誰に・いつ依頼し、何件返ってきたか |
| 不足の考察 | 2 | 足りない理由と、どんな人が抜けたか(下の (a)(b) のどちらでもよい) |
| 偏りの考察 | 2 | 集まった回答が、どこに寄っているか(下の3つのどれかが1つ書けていればよい) |
件数の多さでは点を付けない。100件集めて考察が1行の提出より、20件で理由を書いた提出のほうが点は高い。
「不足」には2種類ある
(a) 件数の不足:依頼したのに返ってこなかった。 見るのは人数ではなく、どんな人が返さなかったかである(学年・関係の近さ・依頼の仕方)。
(b) 特定の設問だけ答えられていない:ほかの設問には答えているのに、そこだけ空欄が多い。 これは調査票の問題である。聞き方・選択肢・答えたくない内容のどれかが原因になっている。 (b) のほうが、次に直すところがはっきりする。
「偏り」は、全員が同じ回答のことではない
次のどれかが見つかれば、それが偏りである。
- 選択肢のどれかに大きく寄っている
- 答えた人の属性が一方に寄っている(1年生ばかり、同じ学部ばかり)
- 聞いた時間帯や場所によって、答える人が決まってしまっている
偏りが見つからないときは、「どの範囲でなら偏っていないと言えるか」を書く。 1年生にしか配っていないなら、学年の偏りが見えなくても 「1年生の中では偏っていない」としか言えない。ここまで書けていれば十分である。
次回までにやること¶
第6回の開始までに回収を締める。誰にいつ依頼して何件返ってきたかを記録に残す。 件数がそろわなくてもよい。足りない理由と、どんな人が抜けたかを書くほうが評価される
締めたら、CSVに出して大学アカウントへ¶
回収を締めたら、その日のうちにCSVを作る。次回、これをColabに読み込む。
自分の班がどちらで作ったかを確認してから進める。編集画面の上に「質問/回答/設定」の3つのタブが並んでいればGoogleフォームである。
Googleフォームの場合
- 編集画面の「回答」タブを開く
- 右上の「⋮」(縦の三点)→「回答をダウンロード(.csv)」
- ZIPで落ちてくる。ダブルクリックして解凍すると、中にCSVが入っている
- そのCSVを大学アカウントのOneDriveに置く(共有はグループのメンバーと教員だけ)
- フォーム側に残っている回答を消す(「⋮」→「すべての回答を削除」)。5までやって、はじめて移したことになる
Microsoft Forms の場合
- 「応答」から「Excel で開く」
-
ここで開くのはブラウザ版のExcelで、「名前を付けて保存」がない。次のどちらかでPCのExcelに持ってくる
- 「編集」→「デスクトップ アプリで開く」
- または「ファイル」→「名前を付けて保存」→「コピーのダウンロード」でPCに落とし、そのファイルをExcelで開く
-
「名前を付けて保存」→ 形式を CSV UTF-8 にする(置き場所はそのままOneDriveでよい)
- フォーム側の回答は消さなくてよい。大学のアカウントの中にあるため
Excelのまま持っていかない。CSVは中身が文字だけで、メモ帳でも開ける。 どのソフトでも読める形に出しておく。これが「出口を持つ」ということである。
文字が化けても、壊れてはいない
GoogleのCSVはUTF-8である。これをExcelでそのまま開くと日本語が化けることがあるが、ファイルが壊れたわけではない。次回Colabに読み込むぶんには問題ない。 中身を見て確かめたいだけなら、メモ帳やテキストエディタで開く。
Googleフォームで集めたグループへ
上の5までやって、はじめて置き場所を移したことになる。元のフォームに回答が残っていれば、移していない。 理由は第2回で話したとおり。預かった回答を、自分の私物のアカウントに残さないため。
困ったら
操作方法で困ったときは、まずAIに聞いてください。それでも解決しないときは、TAか教員に声をかけてください。 「どこまでできて、どこで止まったか」を言えると、答えが早く返ってきます。
ただし、調査してよい内容か・個人情報をどう扱うか・公開してよいかは、教員に確認してください。 実際の回答データや個人が分かる情報を、教員の確認なくAIに入力しないでください。
もっと知りたい人へ:教科書『はじめて学ぶ 数理・データサイエンス・AI』第5章-02 アンケートデータを使ってみよう(対応表)