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第2回 社会調査の歴史

10/6(火)Ⅴ講 16:40〜18:20・A301教室

今日のリンク

解説動画について

このページの内容をもとに、9分の解説動画を用意しました(Gemini Notebook で生成)。予習にも復習にも使えます。

ただしAIが資料から自動生成したものなので、細かい言い回しや強調のしかたはこのページと完全には一致しません。正確な定義・数値・前提は、必ずこのページ本体で確認してください。とくに今回は、Booth の調査規模や Rowntree の二次貧困の定義など、言い切りすぎると不正確になる箇所を本文で慎重に書き分けてあります。


この回の問い

社会調査は、いつ・なぜ始まったのか。そして、その出自はいまの方法に何を残しているか。

到達目標

  1. 社会調査がどのような歴史的背景のもとで発展してきたかを説明できる
  2. ヨーロッパ・アメリカ・日本それぞれの代表的な調査事例を挙げられる
  3. 歴史的な調査が現代の方法論にどのような影響を与えたかを考察できる
  4. 名簿(一人ひとりを特定して使う)と統計(集団の性質を知る)の違いを説明できる
  5. 近代的なセンサスの4原則を挙げ、前近代の人口記録との違いを説明できる

「現在の方法を知るためには、その方法がどのように生まれたかを知る必要がある」


要点

なぜ歴史から入るのか

社会調査の方法論は固定したものではない。時代ごとの社会問題が調査の動機をつくり、技術的な限界(統計・印刷・交通)が方法の形を決め、倫理観の変化が許容される手法を変えてきた。歴史を知ることは、いま使っている方法の強みと限界を批判的に評価できるようになることと同じである。

前史 ―― 「統計」は国家の道具として生まれた

「統計」(statistics)という語は、国家や状態を意味するラテン語 status と語源的に関係し、近代ヨーロッパで「国家の状態についての知識」を指す語(ドイツ語の Statistik など)を経て成立した。status から英語の statistics が直接生まれたわけではない。17〜18世紀、国家が人口・土地・産業を把握するために発展した。William Petty(1623–1687)の政治算術(political arithmetic)は、イングランドの人口・富・土地を数量的に捉えようとした試みだった(『政治算術』1690年初版を読む)。

原典を見る ―― Petty『政治算術』

Political Arithmetick(1690年初版・全158ページ)

17世紀の活字組のまま読める。扉ページを1枚見れば十分。社会を数で捉えるという発想が 1690年にすでに印刷物になっていた、ということの証拠として見てほしい。

近代的な社会調査・統計の重要な源流のひとつは、「国家が社会を知る」ための活動だった。 ただし源流はこれ一本ではない。この後に出てくる慈善事業の貧困調査や、都市のフィールドワークは 国家の統治技術とは別の動機から始まっている。源流が複数あることが、方法が複数あることの理由でもある。 国家由来の系譜は、公的統計を扱う第5回でもう一度効いてくる。

19世紀ヨーロッパ ―― 貧困を「数字で示す」

産業革命による都市への人口集中で、劣悪な労働環境・スラム・貧困・犯罪が深刻化した。問われたのは「貧困の実態はどれほど深刻なのか」であり、感情論ではなく事実に基づく記述が求められた。

Florence Nightingale(1820–1910) ―― Notes on Matters Affecting the Health, Efficiency, and Hospital Administration of the British Army(1858)

貧困調査より先に、衛生の領域で同じことをやった人がいる。

  • クリミア戦争(1853–1856)に従軍し、戦地の死者の多くが戦闘による傷ではなく、予防できる感染症で死んでいることを、月ごとの死因を集計して突き止めた
  • その内訳を図にして1858年の報告書にまとめ、女王と政府に送った。軍の衛生改革につながった
  • 同じ1858年、ロンドン統計協会(現在の王立統計協会)の最初の女性会員に選ばれている

Booth のロンドン調査(1889–)より30年あまり早い。「数えて、図にして、政策を動かす」という型は、 貧困調査の発明ではなく、19世紀にいくつもの領域で並行して現れたものだった。

「ナイチンゲールが円グラフを発明した」ではない

よく言われるが、これは誤りである。

  • 円グラフ(パイチャート)を最初に用いたのは William Playfair, The Statistical Breviary(1801)
  • ナイチンゲールが広めたのは極座標面積図(polar area diagram。本人は coxcomb と呼んだ。「鶏のとさか図」とも訳される)

円グラフは扇形の角度で割合を表す。彼女の図は角度を12か月で等分し、半径の長さで死者数を表している。 似ているが別のグラフである。

「有名な人が発明した」という話は流通しやすい。第1回で扱った「出典をたどる」はこういうときに効く。

原典を見る ―― ナイチンゲールの図

Diagram of the causes of mortality in the army in the East(1858)

左右2枚で、1854年4月〜1855年3月と1855年4月〜1856年3月を並べている。 青い部分が「予防できる感染症」による死者で、赤(戦傷)より圧倒的に大きい。 そして右の図では青が目に見えて縮んでいる。改革の前後を1枚で見せるという仕事をしている。

Charles Booth(1840–1916) ―― Life and Labour of the People in London(1889〜1903、全17巻) 【貧困地図を開く/LSEのアーカイブ全体】

  • ロンドン全域を対象に、約400万人規模の都市の生活状態を体系的に把握した
  • 学校出席記録(School Board Visitors の記録)・視察員への聞き取り・現地観察という複数の資料を組み合わせた。400万人を一人ずつ直接聞いたのではない。調査の初期は世帯単位で記録したが、時間の制約から途中で通り(street)単位の記録に切り替えている
  • 地区ごとに色分けした「貧困地図」(Poverty Map)を作成し、人口の約30%が貧困状態にあることを示した
  • Booth 自身が国家による老齢年金を強く主張しており、調査結果と政策提言は貧困問題への政策的関心を高めた。老齢年金法(1908年)を含む社会政策の議論にも影響を与えた(調査が直接その法律を作ったという単純な関係ではない)

原典を見る ―― Booth の貧困地図

LSE図書館の公式アーカイブ。この回でいちばん見てほしいのはこれ。

手書きノートは読めなくてよい。19世紀の英語の手書きである。 見てほしいのは、あの地図がこの紙束から作られたという一点だけ。

Seebohm Rowntree(1871–1954) ―― Poverty: A Study of Town Life(1901) 【原著全492ページを読む】

  • ヨーク市の労働者階級世帯を、ほぼ悉皆的に(約1万1000世帯)直接調査した。ヨーク市の全世帯を調べたのではない
  • 一次貧困と二次貧困を区別した
    • 一次貧困:所得そのものが最低生活費を下回る(約9.9%)
    • 二次貧困:所得は最低生活費を上回るが、その一部が他の支出に吸収され、実際には最低生活水準を維持できていない(約17.9%)。合計で約27.8%
    • なお Rowntree 自身は、二次貧困の「他の支出」を「有用なものも浪費的なものも含む」と書いており、この概念には当時の道徳観が残っている。「浪費したから貧しい」という読み方をしないよう注意したい
  • 最低生活費をカロリー・衣服・家賃から数値で算出した
  • 貧困を個人の道徳的な失敗だけでは説明できない社会的・経済的な問題として示した先駆的研究。とくに、必要な生活費を数値で定義したうえで、それを下回る世帯がこれだけいると示した点が大きい

原典を見る ―― Rowntree のヨーク調査

Poverty: A Study of Town Life(1901年初版・全492ページ)

借り出しの手続きなしでそのまま読める。英語なので通読は求めない。 最低生活費をカロリー・衣服・家賃から積み上げた表を1ページ見るだけで、 「貧困を数値で定義する」とはどういうことかが分かる。

20世紀アメリカ ―― シカゴ学派とフィールドワーク

19世紀末からの大量移民でシカゴは1900年に人口170万人を超えた。Robert E. Park(1864–1944)と Ernest Burgess(1886–1966)は都市を生態学的に分析し、同心円地帯理論を提示する。シカゴという都市そのものを「社会的な実験室」のように捉え、移民コミュニティや貧困地区への直接観察・インタビューが重視された。シカゴ学派では、都市に入り込んで観察・聞き取り・生活史を収集する社会学的なフィールドワークが、社会学の重要な方法として発展した(→ 第13回・第14回)。 【Park「The City」1915/Hull-House Maps and Papers 1895/The Negro in Chicago 1922】

「参与観察はシカゴ学派が作った」ではない

参与観察そのものがシカゴ学派で体系化されたわけではない。 ほぼ同時期に人類学でも Malinowski らが現地に住み込む調査を確立しており、系譜は複数ある。 シカゴ学派の功績は、こうしたフィールドワークを都市の社会学の方法として定着させたことにある。

原典を見る ―― シカゴ

  • Hull-House Maps and Papers(1895・全274ページ) ―― Jane Addams らが Booth の手法をシカゴに持ち込んだ実例。国籍別・賃金別に色分けした地図が入っている。Booth のロンドン地図と並べて見ると、手法が海を渡ったことが一目で分かる
  • The Negro in Chicago(1922・全832コマ) ―― 1919年の人種暴動を受けた公式調査報告。折込図版6点。「調査報告書とはこれくらいの厚さのものだ」を実感するために
  • Park, “The City”(1915) ―― シカゴ学派の都市研究の出発点になった論文
  • 同心円地帯モデルの図 ―― ただしこれは後世に描き直された模式図で、Burgess の原典の図版そのものではない。原典(Park & Burgess The City, 1925)は自由に閲覧できるかたちでは公開されていない

日本の展開 ―― 人を数えることは、ずっと統治とともにあった

日本でも、人や土地を数える行為は近代よりはるか前からある。ただし何のために数えたかが今とは違う。

時期 記録 何のために
3世紀 『三国志』魏志倭人伝に、倭の国ごとの戸数が記されている(奴国「有二萬餘戸」、邪馬壹国「可七萬餘戸」など) 中国側が倭の国々の規模を把握するため
『日本書紀』崇神天皇12年 「始校人民、更科調役」―― 初めて人民を校(かんが)へ、調役を科した。男の弭調(狩猟の産物)、女の手末調(手工業の産物)と記される 税を課すため
670年(天智9)・690年(持統4) 庚午年籍・庚寅年籍 ―― 全国規模の戸籍 班田・徴税・徴兵の名簿として
1582年〜 太閤検地 ―― 田畑を測り、収穫量を石高で表した 年貢を課す単位をそろえるため
1721年(享保6)〜 幕府が全国の人別改を触れ、1726年(享保11)以降は6年ごとに定期化 人口の増減を把握するため
1869年・1879年 駿河国人別調・甲斐国現在人別調 近代的な人口調査の試み
1871年(明治4) 戸籍法 ―― 全国的な戸籍の整備 行政の名簿として
1920年(大正9) 第1回国勢調査 統計をとるため

「日本最初の人口調査は紀元前86年」と書かないこと

崇神天皇の在位は『日本書紀』の紀年では紀元前97〜30年にあたる(宮内庁「天皇系図」)。 だがこれは記紀が伝える年代であって、考古学的に確定した年代ではない。

「日本最初の人口調査は紀元前86年に行われた」と書くと、伝承を史実の年代として示したことになる。 「『日本書紀』にこう書かれている」という形で書く。

これは歴史学の作法の話であると同時に、社会調査の作法そのものである。 資料にそう書かれていることと、それが事実であることは別に扱う ―― 第1回で「記事に書かれていないことを憶測で埋めない」と言ったのと同じ構えである。

同じ「人を数える」でも、目的は正反対になった

上の表の1920年より前は、ほとんどが徴税・徴兵・賦役のための名簿づくりである。 数えた結果が、そのまま一人ひとりへの課税や動員に使われた。

現在の国勢調査はそうではない。統計法は、調査票の記入内容を統計以外の目的 (たとえば個別の徴税)に使うことを禁じている。 総務省統計局自身が、崇神天皇の記録と現代のセンサスを比べて 「両者の目的は根本的に異なります」と書いている。

  • 名簿 … 一人ひとりを特定して、その人に対して使う
  • 統計 … 集団の性質を知る。個人は特定されない

この区別は、第3回の匿名性の話、第5回の公的統計の話に直接つながる。 「国家が社会を知るため」という源流は同じでも、使い方のルールは近代に入って作り替えられた。

どこからが「近代的なセンサス」か

国連統計委員会の勧告(2007年)は、人口・住宅センサスの基本原則を4つ挙げている。

  1. 個人個人に対する調査であること
  2. 明確な領域内での統一性
  3. 同時性(同じ時点について調べる)
  4. 明確な周期性(決まった間隔で繰り返す)

前近代の記録は、このどれかを欠いている。だから「人を数えた記録」はあっても 「センサス」とは呼ばない。日本で全国規模でこの4つがそろうのは1920年である。

なお census の語源は、古代ローマで市民の登録・財産評価・課税査定を担当した職員 censor で、その職務をラテン語で censere といい、転じて census になったとされる。 statistics が「国家の状態の記述」から来たのと同じく、ここでも語そのものが統治に由来している。

原典を見る ―― 日本の前近代の記録

近代以降

時期 出来事
明治期 国家による統計調査の整備。農商務省の社会調査(『職工事情』1903年・書誌情報。全文はネットで公開されていないので、読むなら復刻版か図書館で)
明治〜大正 横山源之助『日本之下層社会』―― 実地に足を運んだ調査(全文を読む(1899年・227コマ))
戦後 統計制度の整備・制度化
2007年 統計法の全面改正(2009年4月に全面施行)(条文を読む(e-Gov法令検索))
現在 e-Stat による政府統計のオープンデータ化(→ 第5回)

原典を見る ―― 横山源之助『日本之下層社会』

国立国会図書館デジタルコレクション(1899年・全227コマ)

パブリックドメインなので、ログインも図書館への来館も要らない。文語・旧字なので 読み通す必要はない。目次から「第一編 東京の貧民状態」「第四編 機械工場の労働者」 「第五編 小作人生活事情」を開いて、章題だけ眺めてみてほしい。

注目すべきは時期である。Booth のロンドン調査(1889–1903)、Rowntree のヨーク調査(1901)と ほぼ同時期に、日本でも同じことをやった人がいた。

現代 ―― ビッグデータの時代でも変わらないもの

インターネット調査やビッグデータは、規模・速度・低コストという新しい可能性をもたらした。同時に新しい課題も生んでいる。ただし課題の中身は、この2つで違う。

新しい課題
Web アンケート 誰に届くかの偏り(カバレッジ)、答える人が自分で選んで入ってくること(自己選択)、回答者の属性のかたより、答えなかった人の扱い
ビッグデータ そもそも「回答者」がいない。データが生まれる仕組みを調査者が決めていない。どのプラットフォームを使うかで対象が変わる。アルゴリズムの不透明さ、プライバシー

Web アンケートは聞き方の問題、ビッグデータはデータの生まれ方の問題である。

ただし「誰について知りたいのか」「どう選んだのか」「その結果を誰と共有するのか」という基本原則は、どちらでも変わらない。


今日の課題(Moodle提出)

配点:100点(この授業の評価は毎回の課題100%) / 提出期限:次回授業の開始前まで

次のテーマについて 300〜500字程度でまとめて提出すること。

「歴史的な社会調査の事例を1つ取り上げ、①その調査が行われた社会的・歴史的背景、②その調査の方法の特徴、③その調査が持つ意義(当時および現代への影響)について述べなさい。」

日本の前近代の記録を選ぶ場合

魏志倭人伝の戸数、『日本書紀』の「始校人民」、庚午年籍、太閤検地、享保の人別改などを取り上げてもよい。 その場合は②で、それが「統計」ではなく「名簿」として作られたことに触れてください。 ①の背景と③の意義がつながりやすくなります。

なお年代は、史料にそう書かれているという形で書くこと(紀年を史実の年代として断定しない)。

ヒント


この回のまとめ

  • 社会調査は社会問題への対応という実践的要請から発展した。源流はひとつではない
  • ナイチンゲール(1858)は衛生の領域で、Booth・Rowntreeは貧困の領域で、「数えて図にして政策を動かす」仕事をした
  • ただしナイチンゲールは円グラフの発明者ではない(円グラフは Playfair 1801、彼女のは極座標面積図)
  • シカゴ学派は都市・移民研究で社会学的なフィールドワークを発展させた
  • 日本では人を数える記録が古代からある(魏志倭人伝の戸数、『日本書紀』の「始校人民」、庚午・庚寅年籍、太閤検地、享保の人別改)。ただしその目的は徴税・徴兵のための名簿づくりだった
  • 名簿と統計は別のもの。現在の統計法は、調査票の内容を統計以外の目的に使うことを禁じている
  • 近代的センサスの4原則(個人単位・統一性・同時性・周期性)が全国でそろうのは1920年の第1回国勢調査
  • 明治期の国家統計 → 横山の実地調査 → 戦後制度化 → 統計法の全面改正(2007年公布・2009年施行)
  • 現代はビッグデータ・Web調査の時代だが、基本原則は変わらない

次回予告

第3回「社会調査のステップと倫理」。調査はどんな手順で進むのか。そして、やってはいけないことは何か。


参考文献


1. 入門書・教科書

著者 出版年 書名 出版社
大谷 信介・木下 栄二・後藤 範章・小松 洋 編 2013 『新・社会調査へのアプローチ――論理と方法』 ミネルヴァ書房
盛山 和夫 2004 『社会調査法入門』 有斐閣
轟 亮・杉野 勇・平沢 和司 編 2021 『入門・社会調査法――2ステップで基礎から学ぶ(第4版)』 法律文化社
佐藤 郁哉 2015 『社会調査の考え方(上・下)』 東京大学出版会
谷 富夫・山本 努 編 2010 『よくわかる社会調査』 ミネルヴァ書房
  • 大谷ほか編(2013):量的・質的調査の両方をバランスよくカバーした標準的教科書。
  • 盛山(2004):社会調査の論理的・哲学的基礎を丁寧に解説した一冊。
  • 轟ほか編(2021):実習を意識した構成で、実際の調査手順が学びやすい。
  • 佐藤(2015):量的調査と質的調査の接合を論じた理論的に充実した教科書。
  • 谷・山本編(2010):図表が豊富で視覚的に学べる入門書。

2. 第02回テーマ関連文献(社会調査の歴史)

国内文献
著者 出版年 書名 出版社
森 博美 2009 『社会統計学の源泉――古典・近代・現代』 法政大学出版局
横山 源之助 1899(岩波文庫版2018) 『日本の下層社会』 岩波書店
農商務省 1903(影印版あり) 『職工事情』 原本:農商務省商工局
櫻本 健・濱本 真一・西林 勝吾 2021(第二版) 『日本の公的統計・統計調査(第二版)』 立教大学社会情報教育研究センター(発売:三恵社)
サルツブルグ, D.(竹内 惠行・熊谷 悦生 訳) 2010 『統計学を拓いた異才たち』 日経ビジネス人文庫
  • 森(2009):ヨーロッパ・日本の社会統計学の歴史を体系的に解説した専門書。
  • 横山(1899/2018):日本初の本格的な社会調査的著作の原典。岩波文庫版は読みやすい。
  • 農商務省(1903):明治期の労働実態調査の一次資料。復刻版も各図書館に所蔵。
  • 櫻本ほか(2021):日本の公的統計の制度と歴史を1冊で押さえられる。統計の語源、分散型統計機構、統計法の改正経緯など、今回と第5回の内容に直接対応する。全170ページ・本体2,000円。初版は2019年。
  • サルツブルグ(2010):19世紀末〜20世紀の統計学を作った人たちの評伝集。数式がほとんどないので、歴史として読める。
海外文献(邦訳あり)
著者 出版年 書名 出版社
Booth, C. 1889–1903 Life and Labour of the People in London (17 vols.) Macmillan(原著)
Rowntree, B. S. 1901 Poverty: A Study of Town Life Macmillan(原著)
  • Booth(1889–1903):全17巻の原著は大部だが、抜粋・解説書が日本語でも複数存在する。
  • Rowntree(1901):一次・二次貧困の概念を提唱した古典。英語は比較的平易。

3. ウェブリソース

政府統計・公的データ
サービス名 URL 内容
e-Stat(政府統計の総合窓口) https://www.e-stat.go.jp/ 国勢調査・各種政府統計データのポータルサイト
総務省統計局 https://www.stat.go.jp/ 国勢調査・人口統計・統計法の解説
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/ 横山源之助『日本の下層社会』等の原典デジタル公開
学術・教育リソース
サービス名 URL 内容
J-STAGE https://www.jstage.jst.go.jp/ 国内学術論文の無料検索・閲覧(社会調査関連論文多数)
CiNii Research https://cir.nii.ac.jp/ 国内文献・データの統合検索
SSJデータアーカイブ(SSJDA) https://csrda.iss.u-tokyo.ac.jp/ssjda/ 社会調査の二次分析用データセット提供
歴史的資料
サービス名 URL 内容
Charles Booth Online Archive https://booth.lse.ac.uk/ Boothの貧困地図・調査資料のデジタルアーカイブ(英語)
総務省統計局「統計150年」特設サイト https://www.stat.go.jp/museum/toukei150/ 日本の統計行政150年の歩み。コラム・トリビアが読みやすい
統計図書館ミニトピックス№17 https://www.stat.go.jp/library/pdf/minitopics17.pdf 『日本書紀』崇神天皇12年の人口調査。原文・現代語訳つきでA4 3ページ
国立公文書館デジタルアーカイブ https://www.digital.archives.go.jp/ 慶長15年刊本『日本書紀』など原本の画像
国立国会図書館 レファレンス共同データベース https://crd.ndl.go.jp/ 「近世以前の日本の人口について知りたい。」など、調べ方そのものを調べられる
国勢調査の解説(統計局) https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/index.html 令和2年国勢調査。センサスの歴史の解説資料もここから辿れる

4. 次回(第03回)に向けた事前読書案(任意)

以下のいずれか1つを読んで来ると、次回の内容がより理解しやすくなります。

著者 出版年 書名・章 出版社
大谷ほか編 2013 『新・社会調査へのアプローチ』第2章「社会調査の手順」 ミネルヴァ書房
日本社会学会 2005年制定/2025年改正 「日本社会学会倫理綱領」 日本社会学会ウェブサイト(無料)
  • 大谷ほか第2章:次回扱う「調査の手順」を事前に概観できる。
  • 日本社会学会倫理綱領:次回扱う「研究倫理」の基本文書。2〜3ページで読める。現行版はこちら。


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