【第9・10回 共通】AIの答えを「確かめる」 — 鵜呑みにしないために¶
AIは、集計もグラフも一瞬で作ってくれます。わからないことこそ、どんどんAIに聞いていい。 でも、出てきた答えをそのまま信じない——これがこの授業でいちばん大事にしている力です。 大事なのは、たった2つ。
まず:ざっくり聞いていい¶
最初から完璧な文章を書く必要はありません。「睡眠時間の平均出して」だけでもAIは答えます。 いまのAIはそれで十分動きます。
ただし、ぼんやり聞くと、AIが“勝手に前提を決めて”しまうことがあります。
- どの列の平均? 空欄はどう扱った? どうグループ分けした?
→ 答えが返ってきたら、「何を・どう計算した?」を一度たしかめる。それだけで十分です。
はっきり書くのは「AIのため」ではありません。自分が“何を知りたいか”を整理するためであり、あとで答えを確かめられるようにするためです。だから、言えるなら言う。言えなければ、まず聞いて、返事を見て直していく——それでOK。
確かめる(ここが本番)¶
確認は 「先に自分でやる」必要はありません。 大事なのは、AIとは別の方法で“答え合わせ”ができること。手は4つ。
- 🤔 常識と照らす:「この数字、あり得る?」(睡眠が平均20時間ならおかしい)
- ✋ 小さい例だけ手で試す:全部でなく、1〜2件だけ自分で計算して合うか見る
- 🔁 別のやり方/別のAIでも出す:2つが一致すれば安心、違えば要調査
- 📄 元データを見る:空欄・表記ゆれ・外れ値がないか
💡 今回(第9・10回)は、Excelの集計・グラフそのものを学ぶ回です。だから一度は自分の手で触ってみる。それが一番の学びになり、そのままAIの「答え合わせ」にもなります。(“いつも先に自分で”という意味ではありません。今回はスキルを身につける回だから、です。)
例①:集計を確かめる(第9回)¶
聞き方(ざっくりでOK)
このデータで、睡眠時間の平均を出して。朝食あり/なしでも分けて、人数も教えて。
確かめること - [ ] AIは空欄や「4時間」のような表記ゆれをどう扱った?(「何件で計算した?」と聞き返す) - [ ] 人数は合う?(あり+なし=全体?) - [ ] 1〜2件、自分で電卓でも合う?
例②:グラフを確かめる(第10回)¶
グラフは「数字が合っているか」だけでなく、「そのグラフで合っているか」も確かめます。
聞き方
朝食あり/なしの平均睡眠を比べたい。どのグラフがいい? このグラフから何が読み取れる?
確かめること - [ ] グラフの種類は合っているか(比較=棒/分布=ヒストグラム) - [ ] タイトル・軸があり、何のデータか一目でわかるか - [ ] AIの読み取りが、自分の見立てと合うか
AIが間違えやすいポイント¶
- それっぽい嘘(ハルシネーション):自信たっぷりに間違える。
- 空欄・表記ゆれ:「4時間」「(知らない)」を数えられなかったり、勝手に直したり。
- 外れ値を黙って入れる:脈拍
120や30のような極端な値もそのまま平均に混ぜる。 - 「平均」しか見ない:平均が同じでもばらつきは違う(→ヒストグラム)。
食い違ったら?¶
- 元データを見る(空欄・表記ゆれ・外れ値)
- AIに条件を聞き返す(「空欄は除いた?」「何件で計算した?」)
- 小さい例で自分でも計算してみる
→ どちらが正しいかは、最後は元データが決めます。AIも自分も、元データには勝てません。
まとめ AIに「やってもらえる人」はたくさんいます。でも、AIの答えを“確かめられる人”は多くありません。 どんどん使っていい。ただし鵜呑みにしない。 確かめられる人が、本当にAIを使いこなす人です。
本資料は、担当教員(小野原)が生成AI「Claude」(Anthropic社)と協働して作成しました(2026年)。内容は教員が確認しています。誤りや違和感があればご指摘ください。