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第12回授業資料(層別散布図)


1. 今日の目的

  • 2つの数値の関係を散布図で見る
  • データを層(グループ)に分けて比較する
  • 「全体では見えないもの」を層別で見つける

2. 今日の位置づけ

可視化(第10回:棒グラフ・分布)
関係を見る(第12回:散布図)← 今日
最終レポート(第13回)

第10回は「グラフ1枚を作って読む」でした。今日は散布図を2枚作って層別に比較する、成果物(20点)の回です。


3. 散布図とは何か

2つの数値の関係を点で見るグラフ
  • X軸 = 数値①(例:身長)
  • Y軸 = 数値②(例:睡眠時間)
  • 1人が1点になる

点が右上がりに並べば「片方が大きいともう片方も大きい」、バラバラなら「関係がない」。


4. 散布図に使えるのは「量的×量的」だけ

散布図は数値と数値の関係を見るグラフです。カテゴリや順序は使えません。

変数 種類 散布図に使える?
身長 量的(数値)
脈拍 量的(数値)
睡眠時間 量的(数値)
眠気(1〜5) 順序尺度
朝食あり/なし カテゴリ
クラス カテゴリ
眠気は1〜5の数字でも「量」ではなく「順番」
→ 散布図には使わない

今日使える量的変数のペアは次の3つ:

  • 身長 × 脈拍
  • 身長 × 睡眠時間
  • 脈拍 × 睡眠時間

この中から1ペアを選ぶ


5. 今日の核心:「全体では見えないものが、層別で見える」

配布データを全員まとめて散布図にすると、どのペアもほぼ点がバラバラ(関係が見えない)です。

ところが、朝食あり/なしクラスでグループを分けて別々に見ると、片方のグループだけにきれいな関係が現れることがあります。

全体で見る       → 関係なし(点がバラバラ)
層に分けて見る   → あるグループだけ関係が出る

これが今日いちばん伝えたいこと。「分けて見る」と発見がある、が散布図の醍醐味です。


6. 手順:並び替えて層別する

フィルターは使いません。並び替え(ソート)だけで層を作ります。

  1. 配布データ(Moodleからダウンロード済み)を開く
  2. 表全体を選択して、カテゴリ列(朝食 or クラス)で並び替えする → 同じグループが上下に固まる
  3. グループA(例:朝食あり)の範囲だけ選択 → 散布図を作る(1枚目)
  4. グループB(例:朝食なし)の範囲だけ選択 → 散布図を作る(2枚目)
  5. 2枚を見比べて、100〜200字で説明を書く
並び替え → グループが固まる → 範囲を選んで2枚作る → 比べる

7. 必ずやる設定

2枚とも、どちらのグループかわかるタイトルをつける
  • 1枚目:「朝食あり:身長と睡眠時間」
  • 2枚目:「朝食なし:身長と睡眠時間」

タイトルがないと、どちらのグループの図か区別できません。2枚分のタイトルが必須です。


8. 説明文の書き方(100〜200字)

2枚を比較して、数値を使って書きます。

NG(感想・比較なし):

朝食ありの方がなんとなく関係がありそうだった

OK(比較+数値):

朝食ありのグループでは、身長が高い人ほど睡眠時間も長い傾向が
点の並びから読み取れた。一方、朝食なしのグループでは点がばらつき、
はっきりした傾向は見られなかった。同じデータでも、グループを分けると
片方だけに関係が現れることがわかった。
  • 2枚の違いに触れる
  • 「傾向がある/ない」を点の並びから述べる
  • 言い切りすぎない(人数が少ないので「傾向」まで)

9. 今日の作業

  1. 配布データを開く
  2. 量的×量的のペアを1つ選ぶ
  3. カテゴリ列で並び替える
  4. グループごとに散布図を2枚作る
  5. 2枚にタイトルをつける
  6. 比較した説明文を100〜200字で書く

作り方がわからなくなったら → AIに聞く(下のテンプレート参照)


10. AIへの聞き方(テンプレート)

散布図を作りたいとき

Excelで散布図を作りたいです。
選択した範囲で、A列(身長)をX軸、B列(睡眠時間)をY軸にしたいです。
手順を教えてください。

並び替えたいとき

Excelで表を「朝食」の列を基準に並び替えたいです。
表全体が一緒に並び替わるようにしたいです。手順を教えてください。

うまくいかないとき

Excelで散布図を作ったら、点ではなく線がつながって表示されました。
点だけの散布図にするにはどうすればいいですか?

11. 課題(20点)

課題名

層別散布図

提出物

  • 散布図 2枚(同じ変数ペアを、グループ別に)
  • 2枚を比較した説明文(100〜200字、数値を含む)
  • ExcelまたはWordで提出

ファイル名

学籍番号_氏名_第12回課題

12. 評価(20点)

基準
並び替え+散布図2枚(量的×量的のペア) 8点
タイトル(2枚分) 4点
層間を比較した説明文(数値を含む) 8点

13. 提出方法・期限

  • Moodle提出(ExcelまたはWord)
  • 提出期限:次回授業開始まで
    • 英文:7/9(木)10:40まで
    • 経済D:7/13(月)16:20まで

14. 遅延ルール

  • 期限内:100%
  • 遅延:50%
  • 未提出:0点

15. 今日のまとめ

分けて見ると、見えなかったものが見える

散布図そのものより、「層に分けて比べる」という見方を持ち帰ってほしい回です。


TA用補足

今日のTAの役割

今日も「AIへの聞き方を助ける」のがメイン。散布図の作り方を代わりにやる必要はない。

学生:「散布図が作れません」
TA  :「AIに何て聞きましたか?」
学生:「……」
TA  :「じゃあ『Excelで散布図、選択範囲のA列をX軸、B列をY軸に』と聞いてみて」

優先対応

  • 並び替えで表の一部だけが動いてしまう(表全体を選べていない)
  • 順序尺度(眠気)を散布図に使おうとしている → 「量的×量的だけ」を確認
  • 散布図が折れ線になっている → グラフ種類の確認

やらないこと

  • 散布図を代わりに作る
  • 説明文を書いてあげる
  • AIを使わずに自分が手順を教える

詰まりポイント

・並び替えで一列だけソートしてデータが崩れる
・グループの範囲選択がずれる
・「関係がない」を失敗だと思ってしまう(← 立派な発見)

授業進行(想定)

  • 10分:説明(散布図とは・量的×量的・層別の考え方)
  • 10分:デモ(並び替え → 範囲選択 → 散布図2枚をAIに聞きながら)
  • 35分:作業(学生がAIに聞きながら2枚作る)
  • 10分:数名の図を共有・比較
  • 10分:課題説明・提出確認
  • 余裕:質問対応

デモ実況スクリプト(10分)

「今日は先生もAIに聞きながらやります。」

[まず並び替え]

「表全体を選んで、『朝食』の列で並び替えます。これで朝食ありの人が上、なしの人が下に固まりました。」

[AIに入力]

Excelで散布図を作りたいです。
選択した範囲で、身長をX軸、睡眠時間をY軸にしたいです。手順を教えてください。

「朝食ありの範囲だけ選んで、1枚目を作ります。タイトルは『朝食あり:身長と睡眠時間』。」

[同じ手順で朝食なしの2枚目を作る]

「2枚並べます。どうですか? 片方だけ右上がりに見えませんか? 全員まとめて見たときはバラバラだったのに。」

「これが今日の核心です。分けて見ると見える。関係が『ない』のも立派な結果です。」


設計意図

層別 = 発見のための「分け方」
  • 第10回(可視化)=作って読む
  • 第12回(層別散布図)=2枚を層別に比べて、全体で見えないものを見つける
  • 第13回(最終レポート)=グラフを根拠に文章で主張する

全体相関がほぼゼロのデータでも、グループを分けると片方に関係が現れる——「分けて見る」姿勢が、この先の分析すべての入口になる。


次回予告

最終レポート